「立教サービスラーニング」を履修して ~生徒たちに本当の意味で寄り添うために自分にできることを考え続ける~

現代心理学部心理学科 穐場 日菜子(東京都 三鷹中等教育学校)

2019/05/20

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

全学共通科目「立教サービスラーニング」を履修した穐場 日菜子さんが、履修した理由や成長した点、身についた力などについてご紹介します。

「立教サービスラーニング」を履修した理由

高校の頃から、「大学生になったらいろいろな場所に行き、さまざまな人と会って自分の世界を広げたい」と考えていました。実際に座学の授業をとおして新たな知識や考え方を得る機会は豊富にありましたが、反面、本当に身についているのか疑問に感じていました。そんな時に「立教サービスラーニング」の存在を知り、自分の足で現場を訪れ、社会貢献活動に取り組むという内容に強く惹かれました。もともとボランティアサークルで高齢者や障がいを抱える方を対象とした活動を行っており、「より幅広い領域でボランティアを実践したい」という思いがあったことも理由の一つです。

授業を受けて感じたこと

私が履修した「RSL-コミュニティ(埼玉)」は、埼玉県内の生活困窮世帯の中学生に対して学習支援を行う団体の事業に参加する科目で、授業は「事前学習」と「実践」、グループ発表を行う「事後学習」の3つのパートに分かれていました。「事前学習」では、生活保護の現状と課題や今回参加する事業の意義について学びました。生活保護制度の目的は、最低生活の保障だけでなく「自分の力で働くことができるように自立を助けること」だと知ったほか、今回参加する事業は行政と民間、相談機関と家庭などの壁を越えた画期的な取り組みであることがわかりました。

その後、実際に教室で生徒の学習サポートを行った際は、事情を抱える子どもたちとの接し方に戸惑うこともありましたが、団体のスタッフの方々と話し合いを重ねながら、自分にできることは何かを考え続けました。スタッフの方の話の中で印象的だったのは、「学校に行きたくないという気持ちに寄り添いつつ、大切なのはその子がこの先どう生きていくかを一緒に考えていくこと」という言葉です。私は知らないうちに「学校に行くのは良いこと」と決めつけていたと気づき、本当の意味で生徒に寄り添うということは、社会的な価値判断を押し付けるのではなく、一人ひとりにとっての最善を一緒に見つけていくことだと感じました。

成長した点、身についた力

「事後学習」に向けて、私たちのグループは現場で感じたことやスタッフの方へのインタビューをもとに発表資料を作成したため、グループの一人ひとりがいかに現場でさまざまなことを吸収してくるかが重要でした。実習中は子どもたちや支援員の方々の行動を注意深く見ることが求められ、それによって「ただそこにいる」のではなく、しっかり「参加する」意識が身についたように思います。また、他学部の学生と話し合う中で、人によってさまざまな視点があることに気づかされました。多様な考え方をもつ人々と発表に向けて協働する難しさと、そこから生まれる価値の両方を実感できたのは大きな財産です。

現在、科目履修を終えてからも、自主的に学習支援活動に参加しています。人との関わり方に正解はないからこそ、これからも悩み、考え続けながら、生徒一人ひとりと向き合っていきたいと思います。

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